前立腺がんの全摘出手術後の再発について考える
こんにちは。 なすB-のガンバル日記にお立ち寄りただきありがとうございます。
以前に基本的ながん治療法について情報収集し投稿しました。
今回は外科治療後にある程度の確率で発生する再発について考えてみました。
この記事でお伝えすること
これまでの診断のまとめ
- 生体検査の結果:病期:T2a グリソンスコア:4+4(高リスク) 浸潤:なし 骨転移:なし
- CT、MRIの映像確認:映像確認の目視では前立腺内に収まっている状態
以上のことを踏まえなすB-の決断は・・・
前立腺を全摘出することで病巣が無くなると考え、ロボット支援下での前立腺全摘出手術を選択しました。
一方客観的な視点では検査で行ったCTやMRIの映像の目視での確認は自ずと限界があると考えています。
- なすB-の生体検査の結果は
- 病期:T2a
- グリソンスコア:4+4=8の高リスク
- 以上から自分なりの解釈と理解は・・・
- がんの病巣は片側の前立腺内で半分以下の大きさ。
- その組織の一部は悪性度の高い状態でがん化が進んでいる。
- がん組織をお饅頭に例えると(例えが変かもしてませんが・・・)
- 中のアンコは半分以下の大きさ。
- アンコの一部だけしょっぱい部分がある。(お塩が固まっている)
- お饅頭の表面の薄皮はきれいで破れなどは無い。
- お塩の濃い部分から薄皮に塩分が染み出しているかは遠目(映像)では大丈夫そう。
- この不確定な要素を解明するために摘出した前立腺そのものを病理検査します。
- 病理検査の結果、浸潤が判明した場合にはその大きさ、範囲と浸潤の程度が確認できます。
病理検査の結果を踏まえて次のステップの治療法を考えることになります。
再発について考える
- 前立腺がんの指標としてPSA値(Prostate Specific Antigen) が使用されます。
- PSAは前立腺で生成されるたんぱく質です。
- 前立腺がんや前立腺肥大症では血液中に漏れ出ます。
- 前立腺全摘出手術直後ではPSA値はほぼゼロになります。
- 定期的にPSA値を検査し再発の有無を確認する必要があります。
- PSAを生成する臓器=前立腺は摘出しているので既に存在しません。
- それにも関わらずPSA値が高まるということが意味する事は・・・・・。
- 前立腺がん細胞が身体のどこかに転移して増殖しながらPSAを放出している証です。
- 前立腺がん細胞も正常の細胞と同様にPSAを生成するためPSA値の上昇が発生します。
再発の種類は2種類
PSA再発(生化学的再発)とは
- 手術後にほぼゼロに下がったPSA値が上昇しはじめ0.2ng/ml以上となった時点でPSA再発と判定されます。
- しかしこの時点ではCT、MRI、骨シンチグラフィーなどの画像では転移場所など確認できない場合が多いようです。
臨床的再発とは
- 画像診断や生態検査などにより転移部位が特定出来た再発の場合。
- 通常、臨床的再発の場合はPSA再発も確認されています。
再発の確率
- 下記の2文献を参考に全摘出手術後の再発率について確認しました。
- 22.6%~49%と幅はありますが以外と高い割合です。
出典:日本泌尿器科学会雑誌
出典:日本泌尿器科学会雑誌
再発の時期
生化学的再発(PSA再発)が確認される時期も幅広く、手術直後~数年後とこちらも幅広く分布するようです。
選択肢となる治療方法
- 放射線治療
- ホルモン治療
- 経過観察=様子見ということ
再発が確認された後の治療方法:PSA再発が確定された時点で即時に治療を行うかは検討が必要です。
理由
- PSA再発が確認された時点では、どの部位に転移しているか確認できない場合が多い
- 再発時の年齢:余命を考慮して検討する(がんで亡くなる時期と天寿ではどちらが先か?
- PSA再発の確認→臨床的再発の確認→転移部位が確認できたので放射線治療等を実施・・・・
- 治療による副作用
- 治療の合併症による生活レベルの低下への配慮
- 但し、高リスクの要因が判明している場合:放射線治療やホルモン治療が選択肢となります。
- グリソンスコア:8以上
- 他の部位に浸潤が確認されている場合
- 手術後から再発判定までの期間が短い場合 等
まとめ
- 前立腺全摘出手術後に起こる可能性のある再発についてサマリーすると・・・・
- 前立腺を全摘出した場合でも再発する可能性はあります。
- 再発が判定される時期は手術直後~数年後までと期間の幅が広いです。
- 再発が判定された場合の治療方法は、手術前のリスク度合いを考慮して選択されるべきです。
- 実際の治療法については主治医と良くご相談して決めることになります。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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