手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」について調べてみた
こんにちは。 なすB-のガンバル日記にお立ち寄りいただきありがとうございます。
米国 インテュイティブ サージカル オペレーション社が製造・販売する手術支援ロボット
de Vinci(以下、ダ・ヴィンチと省略します)の特許が2019年に期限満了を迎えました。
特許状況に関して個人的な興味本位ですが、素人で分かる範囲ではありますが情報収集してみました。
この記事でお伝えすること
はじめに
なすBーは2020年2月に前立腺がんと診断されました。
針生体検査での診断は「T2b」。 左側前立腺内に収まった状態での前立腺がんです。
診断いただいた病院医師は今後の治療方法の1選択肢として「放射線療法」をお勧めいただきました。
理由は・・・
- がんが前立腺の左側だけにある
- がんは前立腺の内部に留まっている
- 骨シンチグラフィ、腹部CTでの転移は認められない
- 放射線治療は入院は不要。 正し、一定期間連続して放射線照射する必要がある。
結論として
ナスB-は検討の結果、放射線治療は選択せず外科治療「ロボット支援下での前立腺全摘術」を選択しました。
「ダ・ヴィンチ」での施術を強く希望したため前立腺全摘出手術を行うために転院をしました。
今回の外科治療「前立腺全摘出」の選択は正しかった!
理由は・・・
- 手術で摘出した前立腺を病理検査した結果、右側の前立腺にもがんが確認されました。
- 従って、がん診断は「T2c N0」に上がりました。
もし放射線治療を選択していたら・・(少しネガティブかもしれませんが)
- 放射線治療後のPSA値がなかなか下がらない症状や、あるいは
- 数年の経過観察の内にPSA値が再上昇(再発)し、改めての生体検査で
- 右側前立腺内にがんが確認されるという事態になっていたかもしれなかったと考えたりします。
早い段階で発見された前立腺がんは、根治できる可能性が高まっているとお聞きしています。
患者さんにはそれぞれのご事情がありますので一概には言えませんが、
出来るだけ健康診断や人間ドックなどを活用して早く検知し、
異常が確認されたら、慎重に且つ大胆な判断で治療に
挑まれると良いのではと感じました。
ダ・ヴィンチについて
手術支援ロボット「de Vinci=ダ・ヴィンチ」については手術入院前に情報収集していました。
ダビンチ利用のメリット・デメリット
- 製造企業:インテュイティブ サージカル オペレーション社
メリット
- 低侵襲手術
- 手術の開口部が小さい
- 出血が少ない
- キズの回復が早い→手術からの回復が早いに
- 手術時間を短くできる
- 緻密な施術が可能
- 手術部位を拡大して見れる
- 体内の深部での施術を可能にする
- 人間の手に代わるマニュピレーターが細部に入り込める
- 手振れを抑止でき、細かい作業を正確に行える
- 手術後の後遺症(副作用)を少なく出来る可能性が高い
デメリット
- 導入費用が高価(医療施設の課題ですが・・・)
- 通常の医療技術に加えて「ダヴィンチを操作するスキル」の醸成・維持が必要
- ダ・ヴィンチはあくまでも道具です。 超優秀ですが・・😄。
- 主役は「執刀医」です
- 手術中のダヴィンチ故障時対応が起こりえる
ダ・ヴィンチ普及の課題
- 販売価格 : 1台 3億円以上😱
- 運用費用(維持費):年間数千万円の維持費・研修費 等😱
- ダ・ヴィンチ操作のスキルの継続的は醸成が必要:通常手術のスキルに加え「ダ・ヴィンチ操作」のスキル
ダ・ヴィンチの特許について
開発のキッカケは戦場で負傷した兵士を遠隔治療することに備えて開発された医療用ロボットでした。
しかし戦争が終結したため、第一の目的のためには活用されないまま民間企業に移管されました。
その後製品化され、当時の多くの特許が2019年に満了日を迎えたということです。
現在の特許状況
特許情報や文献情報は以下のサイトで閲覧することが可能です。
今回は特許の出願内容や技術文献の内容までは読み込んでいません。
なすB-の知識レベルでは、特許や技術文献を分類することも儘なりません。
情報量も膨大である事と根本的になすB-の理解可能な範疇を超えていますので・・・😅
ご興味がお有りでしたら下記のサイトで検索・閲覧ができますので、ご一読してみてくださいね。
特許情報 : J-PlatPat
科学技術情報: J-GLOBAL
ご参考として手術支援ロボットで連想されるキーワードで検索した本日時点での特許件数、文献数を整理します。
【特許:J-PlatPat】
特許検索キーワード | 特許・実用新案(件) | 意匠(件) | 商標(件) |
手術ロボット | 117 | 0 | 0 |
手術支援ロボット | 27 | 1 | 0 |
インテュイティブ | 623 | 0 | 42 |
インチュイティブ | 22 | 0 | 11 |
【科学技術文献:J-GLOBAL】
特許検索キーワード | すべて(件) | 文献(件) | 特許(件) |
手術ロボット | 1244 | 1067 | 105 |
手術支援ロボット | 811 | 648 | 29 |
インテュイティブ | 922 | 5 | 917 |
インチュイティブ | 29 | 1 | 28 |
Intuitive Surgical | 454 | 440 | 0 |
ダヴィンチ | 160 | 82 | 12 |
特許出願状況を検索しての感想
現時点での公知された特許数を見て正直ビックリ!!
2019年に多くの特許が期限の満了を迎えると聞いていたので
本家本元のインテュイティブ サージカル オペレーション社が所有する特許数に
大きな変化が有るのかと思いきや、相変わらず多くの特許や科学技術情報を所持されていました。
さすが御本家!
競合他社に先行した20年間の特許期間に培われた知見を礎に、新たな特許を生み出していた訳です。
今後に期待できること
特許期間が満了して後発の企業は・・・
特許料の負担なく「その技術」を使用することができます。
開発期間・開発費用の負担なく20年間の遅れを一瞬で追いつけます。
現行レベルの製品であれば「これまでより廉価」で導入できる期待が見込めます。
設置場所、操作技術の課題は当面残ると思いますが、多くの医療施設への展開が期待できます。
新たな医療ロボットとしては・・・
適材適所での医療ロボットの開発も期待できます。
採血専用ロボット、血圧測定ロボット、調剤ロボットなどなど・・・
先行企業(今回の場合はインテュイティブ サージカル オペレーション社)は・・
ご本家はこれまでの先行期間で得たアドバンテージをフルに活用し
新たな技術を盛り込んだ製品開発をしてほしいと思います。
まとめ
ダ・ヴィンチを使用しての前立腺全摘出手術を体験し
医療ロボットの分野は目覚ましく進化していると感じました。
前立腺全摘出に掛かった時間は3~4時間程と思います。
手術の翌日には導尿(カテーテル)したままですがシャワーを浴びました。
ロボット支援下での前立腺全摘手術は「低浸潤」であることを改めて実感しました。
是非、医療機器メーカーさんには「安全で、患者の身体的負担や経済的負担が少なくて済む」
医療支援ロボットの開発と提供を通し、医療従事者の皆さんの支援に寄与していただけたらと願います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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